実技試験の「言語」をクリアするには?演出を徹底攻略!
保育士試験の筆記試験に合格したら、次は実技試験です。知識問題ではない実技試験に苦手意識がある方は、事前にしっかり対策をしておきましょう。ここでは、言語をピックアップして、その対策方法について解説していきます。
実技試験をクリア!「言語」の試験内容は?
言語と聞くと、中学や高校で習う国語や現代文をイメージする方もいらっしゃるかと思いますが、課題は下記のようなものとなります。
言語の試験内容
言語の課題は、3歳児に3分間の素話をするというものです。保育実務を想定したもので、お話は4つの中から1つ選ぶことができます。
ただし、絵本や台本の持ち込みができないため、お話の内容を自分でまとめたシナリオを作成する必要があります。
言語の過去問は?
平成31年度[前期]試験は、下記のとおりです。
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
【課題】
1.「おむすびころりん」(日本の昔話)
2.「ももたろう 」(日本の昔話)
3.「3びきのこぶた 」(イギリスの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
目の前に15人程度の子どもがいることを想定して、お話をする試験です。3歳の子どもが楽しめることと、お話の内容をイメージしやすいように身振り・手振りを加えることが求められます。ただお話をするのではなく、3歳児が楽しめることが評価のポイントになります。
保育士試験の実技で言語は選ぶべき?
実技試験では、音楽・造形・言語の3分野から受験する2分野を選択するため、言語を選択するかどうか、迷う方もいらっしゃると思います。実技試験では、とにかく少しでも自分の得意な分野を選ぶことが合格への近道です。
言語では、言葉を間違えないことや感動させる演技ではなく、子どもに伝わる楽しいお話ができることが評価されます。これは、保育実務でも重要なスキルです。音楽や造形と比較して、言語の方がしっくりくれば選択をおすすめします。
自宅でできる!言語の対策方法
言語を選択した場合、どのような対策をしておくべきでしょうか?言語は、保育園の現場をイメージしながら、練習を重ねることが重要です。実技試験の対策は、筆記試験の合格通知を待っていると、十分に時間がとれなくなる可能性がありますので、筆記試験の自己採点をしたら、すぐに始動するようにしましょう。
受験申請の手引きは熟読!
保育士試験の受験申請の手引きには、実技試験において「求められる力」が記載されており、これが評価ポイントとなります。それを意識して、繰り返し練習をしておくと効果的です。
言語の対策はシナリオづくりから!
言語の試験では、子どもたちがいるという体で、何も見ないで3分間の素話をします。まずは、課題を確認してどのお話にするのか決めておきましょう。課題の中に自分が好きなお話や、読んだことがあるお話があればそれを選ぶのがおすすめです。
内容を確認するためにも、課題の絵本を一度読んでおくと良いでしょう。特に昔話の場合、地域などによって展開が異なるものもあり、自分のイメージと違う場合もあるので要注意です。
選んだお話を3分間のシナリオにまとめて、お話の練習をしましょう。3分間のお話は絵本をそのまま丸暗記するのではなく、3歳児が楽しめるお話にまとめましょう。絵本に忠実でなくても構いませんので、楽しんでお話ができるように、また、お話の楽しさが子どもたちに伝わるようにアレンジしてシナリオをまとめましょう。
シナリオ作成のポイント
3分間でわかりやすいお話をする場合、だいたい600~800文字程度を目安にするとよいでしょう。600文字以下になると、時間が余ってしまう可能性があります。反対に、あまり文字数が多すぎると、3分間に収めようとした場合、お話が急ぎ気味になってしまうかもしれません。
絵本などを参考にして、3歳児が理解できる言葉(想像できる言葉)を使うことも大切です。子どもの好きな擬音語(ドンドン、ブーブーなど)や繰り返しの表現(動物の踊りの歌やおまじないの呪文など)を取り入れるとよいでしょう。バッドエンドよりハッピーエンドが好まれますので、悲しいお話の場合は思い切ってアレンジしてもよいでしょう。
練習をしっかり行うことが大切!
シナリオができたら、繰り返し声に出して読んで覚えます。シナリオは、スマホのメモ帳アプリなどに入力しておくと、いつでも確認できますし、修正も簡単なのでおすすめです。
試験では、「○○のお話をします。」という一言からスタートするので、練習時も初めに必ず言うようにしましょう。自分の話をスマホなどで録音・録画してみて、3分を超えてしまう場合には調整をします。シナリオを見なくても話せるようになったら、場面に合った身振りや手振りなどを加えましょう。声は適度な大きさで、はっきりとわかりやすくお話します。
お話をしている人が楽しまなければ、聴いている人は楽しめませんので、何より自分自身が楽しむことが大切です。家族や友だちなどの前でお話をして、感想を言ってもらうと気づくこともあるので、機会があったら是非協力してもらいましょう。
お話のテクニック
・登場人物が複数のときは、声の高さなどを意識すると◎。ただし、演技の試験ではないので大げさにする必要はありません。
・場面が変わるときには、一拍おくことでメリハリのあるお話になります。
・お話の終わりに近づいたら、ゆっくりめにお話すると子どもたちにもうすぐ終わりだとわかります。
言語の試験本番も練習通りに!
言語では、数名ずつ会場前に案内され、自分の番を待ちます。試験会場では、2名の試験委員に向かって立ちます(椅子に座ってもよい)が、試験委員の顔を見ながら話すのではなく、試験委員の前に用意された子どもたちの椅子に視線を向けて、お話を始めます。実際に子どもたちがいると思ってお話をしましょう。
スタートしたら、お話のタイトルを最初に言うのを忘れないようにしましょう。途中、頭が真っ白になってシナリオを忘れそうになるかもしれませんが、繰り返し練習していれば、体が思い出させてくれますので、慌てずに息を整えて続けましょう。
3分を待たずにお話が終わったら、「終わり」と言われるまでその場で待ちます。3分でお話が終わらなくても、「終わり」と言われたらやめましょう。
しっかり準備して合格をめざそう!
言語は、事前準備と練習で合格にぐっと近づくことができます。しっかり対策をして、合格をめざしましょう!
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