実技試験の「造形」をクリアするには?過去問から見る突破方法

実技試験, 造形に関する技術

保育士試験の筆記試験に合格したら、次は実技試験です。知識問題ではない実技試験に苦手意識のある方は、事前にしっかり対策をしておきましょう。ここでは、造形をピックアップして、その対策方法について解説していきます。

”造形”ってどんなもの?

造形という言葉に馴染みがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?難しそうに感じる造形の試験ですが、その内容は至ってシンプルです。

造形の試験内容

造形の試験内容


造形を簡単に説明すると、保育のシーンを絵に描き、情景や人物の描写、色使いができているかどうかを評価する試験です。課題は配付される問題用紙に印刷されており、事例を読んで、その場面を指定された条件に基づいて描きます。

造形の過去問は?

平成31年[前期]試験は、下記のとおりです。

【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

【事例】H保育所の4歳児クラスの子どもたちが、園庭の一角で花や野菜を育てています。夏のある日、保育士と一緒に水やりをしたり収穫をしたりするなど、楽しく世話をしました。

【条件】
1.花や野菜の世話をしている様子を描くこと。
2.季節や園庭の様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

事例からイメージできる状況を、条件を満たして描くことが求められます。試験ごとに事例は異なりますが、子どもと保育士を描くこと、色鉛筆で着色することは、必ず条件となります。

実技試験で造形は選ぶべき?

実技試験では、音楽・造形・言語の3分野から受験する2分野を選択するため、造形を選択するかどうか、迷う方もいらっしゃると思います。実技試験では、とにかく少しでも得意な分野を選ぶことが合格への近道です。

造形では、絵のクオリティの高さが評価されるわけではなく、時間内に条件を満たした保育の一場面にふさわしい絵が描けるかが重要です。

イラスト等が描き慣れないという方でも、合格可能性は十分にありますので、音楽や言語と比較して、造形の方が少しでも合格しやすそうであれば選択してみましょう。

絵に自信がない方必見!造形の試験対策方法

造形を選択したものの、絵に自信がなく不安を感じるという方は、事前にしっかり対策をしておきましょう。実技試験の対策は、筆記試験の合格通知を待っていると、十分に時間がとれなくなる可能性がありますので、筆記試験の自己採点をしたら、すぐに始動するようにしましょう。

受験申請の手引きは熟読!

保育士試験の受験申請の手引きには、実技試験において「求められる力」が記載されており、これが評価ポイントとなります。それを意識して、繰り返し練習をしておくと効果的です。

自宅でできる造形の練習方法は?

自宅でできる造形の練習方法は?


本番をイメージして、A4判のケント紙(縦)の中央に、縦横19㎝の正方形の枠を用意し、その枠の中に絵を描き、色鉛筆で塗って仕上げる練習をします。保育のシーンをできるだけたくさん想定して練習しておくと安心です。

過去問を参考にしたり、「保育園の一日」などのキーワードでネット検索すると、様々な保育園のウェブサイトで写真などが紹介されていますので、参考にしてみましょう。

また、保育園の様子がわかる『ほいくえんのいちにち』(文:丘修三、絵:上條滝子)という絵本を参考にするのも一つの方法です。

練習しておきたい絵の例】
登園、園庭での鬼ごっこ、土遊び、お散歩、お昼寝、食事・後片付け、おもちゃの後片付け、絵本の読み聞かせ、歌を歌ったり、おゆうぎ、ピクニック、粘土あそび、折り紙あそび、芋ほり など

ケント紙や色鉛筆に普段から馴染みのない方は、本番と同じ条件で練習することで、本番に近い感覚が得られますよ。

造形の試験対策のコツ

どんな課題が出題されても動じないように、自分の中に、描くときの決まりごとや描き分けのルールを作っておくと安心です。

・子どもたちは男の子と女の子の各2パターン
・保育士は男性と女性の2パターン
・立っている様子やしゃがんでいる様子
・髪型はどのようなものか(結んでいる場合は?)
・服装はどのようなものか(色や形は?)
・エプロンの色は何色か
・室内であれば窓・カーテン・床・ロッカーなどは何色か

自分の中である程度パターン化できれば、限られた試験時間の中でも焦ることなく描くことができます。また、子どもは2歳児と5歳児の区別がつくように描く練習をしておくと、さらに機動的に対応できるようになります。必ず試験時間の45分間で色塗りまで完成させるようにしましょう。

色塗りの注意点

造形では、必ず色鉛筆での色塗りが求められます。色を塗る際には、なるべく明るい色合いで楽しい空気感が出ることを意識しましょう。また、筆圧は高めにして、しっかりと色を塗るのもコツです。白色を使う場合には、塗り残しと判断されないように注意しましょう。

練習して合格をめざそう!

絵に苦手意識がある方でも、造形は気楽に対策することができます。ぜひ実践してみてください。

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